好奇心は猫をも殺す

昨日、いつものようにツイッターのタイムラインを眺めているとこんなツイートが流れてきた。

埋め込んだツイートが見れない人のために簡単に説明すると、「ニュースサイトの特定の記事をツイートするとアカウントがロックされる」ということを動画付きで知らせるツイートだ。

10年間ツイッターをしてきたけれど、見たことも聞いたこともない症状だった。証拠となる動画が添えられてはいたものの、僕の率直な感想は「ほんまかいな」だった。

好奇心が頭をもたげてきた。

件のツイートを再度見てみると、引き金となった記事が政治にまつわるものだったこともあり、やれ検閲だ言論統制だというようなリプもぶら下がっている。

実際にこれが政治的な理由で消されていたのだとすると大問題だと思うし、僕には絶対敵わない。ただ、僕にはこれが検閲や陰謀によるものだとは思えなかったのと(あからさま過ぎるしそれほど内容のない記事を封じてもさほどメリットはないと思う)、そして何より初めて見る現象に好奇心が抑えられなかった。

なので、実際に試してみた。ひとりかくれんぼこっくりさんを初めて知ったときのような、怖いけどちょっとワクワクする気持ちだ。

結論から言うと、僕のアカウントは添付されていた動画の通りに「不自然なアクティビティを検出しました」とのことでロックされてしまった。画面には「再度ログインする前にパスワードを変更してください」と表示されている。

「マジでこうなるんだ」と感心しながら画面の支持に従い登録されているメールアドレスにパスワード変更用のURLを送信する。

ところで、皆さんはメールアドレスをいくつ持っているだろうか? そして、それらのメールアドレスを最後に使ったのはいつだろうか?

僕はリアル用、ネット用、携帯会社のもの、固定回線のプロバイダのもの、総合用の、少なくとも5つのメールアドレスを持っている。

だが、最近では最後のアドレスですべてを済ませてしまうようになった。そもそも友人とメールのやり取りをすることがなくなったので、メールの出番というと何かの会員登録をするときだけ。

つまり、何が言いたいのかというと、ツイッターのアカウントを作成するときに使った「ネット用」のアカウントに最後にログインしたのが、もう何年も前になるということだ。

うん、ログインできなかったんです。そのメールアドレスに。パスワードがわからない。

僕は、パスワードの使い回しはしていないものの、そのサイトを見れば自分には推測できるような法則性のあるパスワードを使っている。ただ、このネット用のメールアドレスを作成したときは、まだその法則を使い始める前だった。

当時の自分の思考パターン、考え方を推測していくつか数字やアルファベットを入れてみたものの、やはりメールにログインできない。実に困った。だが、まだ慌てるほどではない。

この手のサイトには、僕のようにパスワードを忘れた人のための救済措置が用意されている。パスワードを思い出すのを諦め、「パスワードを忘れた方」という文字をクリックしてページを移動する。

そこには「生年月日を数字8桁で入力してください」という表示と「秘密の質問:子供の頃のあだ名は?」という表示があった。

生年月日は、まあ、わかる。入れる。

次は「秘密の質問」だ。秘密の質問、懐かしすぎる響きだ。最近聞かなくなった気がする。

さて。

困ったことに、僕は子供の頃に特定のあだ名で呼ばれた記憶がない。だいたい本名の下の名前で呼ばれていた。つまり、入力すべき答えがない。

あと、確か当時の僕は「質問の答えをそのまま書いたら他の人にバレるのでは?」と考えて、こういった項目には全く別の答えを入力していた気がする。

つまり、書くべき答えはなく、仮に特定のあだ名を思い出せたとしてもそれを素直に入力していない可能性がある、という二段構えの罠になっているのだ。過去の自分のセキュリティ意識には頭が下がる。メモも残していないし完璧だよちくしょう。

一応あれこれ考えて打ち込んでみたが「あと1回間違えたらロックされます」と赤字で表示されたので引き下がることにした。

つまり、

 ツイッターにログインするにはパスワードの変更が必要
 →パスワードの変更にはメールアカウントへのログインが必要
 →メールアカウントへのログインができない

となり、詰んでしまった。

一応ツイッターに「こういったことなので復旧させて」とメールを送ったけれど、まだ返事はないし望み薄だと思う。

そういった経緯で新しくツイッターのアカウントを作り直したのでした。

引き続きよろしくお願いいたします。